昨日Winny作者である、金子氏の最高裁判決が言い渡された。
結果は、高裁判決を支持し、無罪。
これは、いわゆる「Winny(ファイル交換ソフト)」を介した著作法違反事件(幇助罪)として、約7年の歳月を経て結審した事件です。
ファイル交換システムについて、個人的意見はありませんが、技術的には「低速回線」でも「高速回線」でも安定して、データ処理を行う技術と言います。
これは、インターネットの通信が「パケット方式」に起因する事で「パケット=荷物」でデータをバケツリレー方式で送るのです。
10キロの米俵を100グラムずつに小分けして、効率良く運ぶ。10キロを一気に運ぶのは、体の負担は勿論の事、重くて落としたりする事で荷物を壊すといったリスクも当然あります。
しかし、100グラムであれば、負担が小さく確実に運ぶ事ができる事から、効率が良いのです。
勿論、単純に100グラムを分けるのではなく、「10キロのうち100グラムが○○番目」という荷札をつけ、順番通りに運ばれなくても揃うまで待機するといった仕組みもあり、足りなければ「○×番目を再度手配」といった事も可能です。
こうやって通信環境が不安定な地域でも、データ通信の品質を上げる仕組みがWinnyにあったと言われています。
それが、「大容量のゲームや音楽データ」のやりとりに使い出した事を発端として、開発者を摘発したと言うのが元々の流れです。
この理屈は「包丁は殺人に使えるから、包丁を販売する業者はすべて、殺人幇助罪」として立件する事と同じだと言う理由で、便利な物も悪用する行為は可能と言われています。
インターネット犯罪において、人命が失われるといった事件はありませんが、経済的な損害(いわゆる著作権法違反)が大きく、事件も看過できないところにきています。
今回の判決は画期的というより「本来の使い方」をもっと紹介すべきだったと言うより、匿名性を廃すべきだったのではないか?とすら思うのは私だけでないはずです。
ただ、会員登録をして、サーバーを設けるといった事は、経済的・セキュリティにおいて得策とは言えず、Winnyのやり方は、その両面性を解消した手法であるのは事実です。(※本件は、関連の記事を読んだ上での解釈です)
http://ascii.asciimw.jp/pb/bookmart/pdf/47561/4756145485.pdf
インターネットの資源をうまく共有して使う目的からすれば大変効率の良い仕組みだったのが悪用され社会問題になったのは非常に残念と言わざる得ません。
Winnyの技術は、自動的に「ミラーリングサーバー」を作り、ユーザーにといって一番取得しやすいサーバーから入手できる事で、ネットワークを効率良く活用するインターネットならではの技術です。
今後同様な事件が起きた際に、どう振る舞うべきか注視していきたいと考えています。