IT業者に限らず、経営者は常日頃、状況判断を瞬時に求められることが多い。
今日もこんな話題を振られて、驚きと焦りを覚えた。
今まで電話料金が基本料金しかかかってなかったのに、いきなり法外な通話料が発生した
という話で、セキュリティのA社が悪いとか、機械納入のB社だとか、あげくにはインフラ整備したうちの会社の問題だとか言うので私を唖然とさせた。
私が持った疑問は
なぜ今まで通話料が発生せず、今回いきなり発生したか?という点になる。
理由は大きく3つ考えられる
1:発信先がこれまで0120等フリーダイヤルだった
2:050電話などをつなぎ、固定回線を使わず発信していた
3:マイラインプラス (いわゆる0088や0077等)を契約していたが、NTT系(0039または0033)に契約を切り替えた
ただ、相手の話からするとどうやら違うようだ。
「マイラインを**年に解約して、今は割引が無い状態だ。だから高額になっている。」
と言うが、私に言わせるとこの二言目で状況がはっきりした。
消去法で1番は可能性としてきわめて低い。
2番は設備構築した際に、配線の状況から勘案してこれも考えにくい。
そうなると、3番の根拠がきわめて自然な答えとなる。
マイラインプラスの件は、さかのぼれば2001年にまでさかのぼる。
これまで通信回線は、通話料金を安く利用するためにACRという機械を使い、市内通話はNTT、それ以外は他社へ自動ダイヤルする仕組みだったのが、公正な競争を行う目的で電話会社指定プログラムの一環で「マイライン」サービスが始まった。
マイラインは「0077等」を発信しなくても、初期設定を0077にするサービスで、発信の際にこれまでの様に0088を自動ダイヤルする場合、後から発信した番号が優先されるサービスである。
これをさらに顧客囲い込みと上記のような誤発信を防ぐ目的で「マイラインプラス」というサービスがある。
一般的にマイラインといえば「マイラインプラス 」を指し、割引サービスなどの特約も非常に多い。
今回発生した原因は
1:マイラインプラスで指定したA社の通話料金を長期間にわたり滞納していた(と推測される)
2:A社に対し、滞納した結果、発信ができなくなった。(ただ着信はできたと推測される)
3:発信できなくなったため、NTTへ連絡し、マイラインの契約を解除を依頼した。
そんな訳ですが、世間一般的に考えて、「通話料が発生しない国」というのは日本ではそもそもありえない。
1通話で最低、8円〜10円かかるためむしろ、かかっていない方がむしろ不自然とみるべきではないだろうか。
では本来の利用料はどこに消えたのか?
それともNTTのバグなのか
・・・いやいやそれは考えにくい。
以前、気になる請求書をみたことがあったが、払い込み用紙型だったので、口座振替にすべきだと進言したことをおぼろげに覚えている。
それはかれこれ5年以上昔の話であるから、知るよしもないのだが。
状況判断の基本は「結果から仮説を立て、必要な情報を積み立てる」
今回の話をまとめるとざっとこうなる
「電話の基本しか今まで請求がなかった」
(頻度が高いのに基本料金だけのはずはない)
「マイラインはなぜか解約されている」
(マイライン解除するための明確な理由がある)
よってこれは、どこに原因があるのか?
この結論は
「マイライン利用会社の滞納が原因」でありなおかつ、
「請求書はNTTと別送されている通信会社」
ということが導線として導き出されるのだ。
基本的にNTTと合算できるのは、NTTコミュニケーションズ以外は特例契約をしなければ、合算はできない。
さらに、KDDIは合算が不可能である。
このような環境に照らしあせなくとも、この話は以前からNTTの社員と雑談する中でよくきいた話だから決して珍しい話ではない。
むしろ、やはりそうか。
というのが私の率直な感想かもしれない。
NTT等の肩を持つつもりは毛頭ないが、通話料は一ヶ月頑張って使っても3000円いけば良いはずだ。
このあたりの説明は、仮にマイラインの会社がXだとしても、このXがどこだったかはさほど気にとめる程度のことじゃないだろう。
こういう状況判断は、ほかのことでたとえると、「水道使っているのに水道の請求がされない」と言うのと同じ理屈で、「されていないのが手落ちなのかあるいは請求者が別なのか」は話だけでは正確な答えは出せない。
ただ、社会通念上のルールに則れば、「手落ちであるのは考えにくく、どこかに請求されているはず」と考えるのが自然である。
よって請求されないのが当たり前でなく、請求されないことに疑問を持つべきだと言いたいのだ。
疑問を持たない方々に対し、警鐘を鳴らす意味で申し上げる。