この季節になると、いつも思い出すことがある
当時の私はまだ卒業が近い学生である
大学の残り期間といえば、卒業論文である
夏に、公立学校教員採用試験を受験したのですが、見事不採用!
そんな私は次どうしようかというところ。
それも無理はない。
教員志望だった私にとって、民間企業の就職活動などしたこともなく、それこそマイペースな日々を送っていたのですから
今思えばなんてもったいない学生時代を過ごしたのだろうと後悔してやまない
ただ、採用試験が通らなくてもなんとかなる・・・はずはなかった。
大学院に行く予定などもともとないわけですし
だからといって就職活動をしていたわけでもない。
このころ、大学に赴任したばかりのとある教授から電話が入る。
電話の内容はこんな感じだ「今度、インターネット教室をするんだけど手伝ってくれない?」という話。
これといったこともなかったので「いいですよ」と二つ返事で応諾する。
その後、会場となる現地まで訪問。
このとき初めて、小浜温泉に行く。
私にとって、小浜という町に足を入れたのはこの時がはじめてであった。
島原半島と言えば、祖父が雲仙普賢岳の災害復興の応援で単身赴任していた程度しか記憶になく、訪問した当時から振り返れば10年ほど前のことになる。
小浜温泉というところは本当にのどかな町だというのが最初の印象だった。
この町でインターネットはどういう関わりが持てるのだろうということは、皆目見当がつかなかった。
インターネットの教室の後、半年が経ち、大学卒業と同時に起業することになった。
資本金もなく、仕事も、人脈もなく、社会経験もない人間が始めることはチャレンジャー以外なにものでもなかっただろう。
起業することになったのも「やるぞ」ではなかったように思う。むしろ、ことの成り行きで始めたのだ。
きっと仕事が来るだろう。という甘い考えがどこかにあったのがそもそもの間違いだった。
あれから10年が経ち、改めて当時のことを振り返るといろいろなことがありすぎた。
右も左もわからない人間が、いきなり仕事を始めるということは決して楽ではないということ。
どこかの民間企業で経験を積んでから独立したほうがよいと思ったことは多々あった。
しかし、一度始めてしまったのを、勉強しますといって辞めるわけにもいかない。
もっとも自分にとって帰る家がこの時点でなく、とにかく食いつながなければというひっ迫感はあった。
がむしゃらに働いてもなかなか稼ぐことすらできないジレンマを覚えた
そのうち、いつか・・という気持ちが空回りし、さまざまな人間関係を構築するどころか打ち切ったほうが多かった。
私的な付き合いもほとんどせずただ働く日々。
特に立場の低さを使われ、安い単価で働かされたこともあった。
今思えばその当時の経験は、そういう時代だからこそできたのであって、今できるか?と言えば到底不可能だろう。
とにかく契約を解消したケースは「公私混同」が多い会社との取引
報酬はお金ではなく、現物支給という時代
売り上げがない時は、月収にして10万円にも満たない月が多かった。
今思えばそれでよくやってきたとすら思う。
それでも、人の甘い言葉にはよくおだてられ
体よくに使われ報酬の代わりに、食事や物品といった現物支給
ある日を境に見切りをつけるため、そういった会社との取引停止した。
その後その会社は「倒産」した。
(会社整理や銀行管理下になっており、事実上の倒産である)
つまり、お金が当時からなかったことを意味しており、現物支給する会社はお金を持たないから
食事を与えて紛らわそうということだったのである。
仕事は必ず「お金」を得ることで受けなければいけない。
そのルールは厳密にするべき
ということもこの時思い知らされた。
ようやく10年が経過した最近は、そのあたりの線引きがだいぶんできるようになった。
(今でもまだできてませんが・・)
この10年は「失敗」の連続で
成功した事例などは「皆無」である。
世間は「成功」事例を聞きたがるが
私はむしろ「失敗」事例から学ぶことが多いと思う。
人生のうち9割は失敗だ
私の経験則であるが
100の成功談を聞くよりも、1の失敗談を聞く方がためになる。
成功の話などは本を買えばすぐ見つかるが、失敗した話はなかなか見つからない。
なぜ失敗したのか?
若かったからということでは済まされないことは多い。
失敗談はとにかく面白い
成功した美談よりもよっぽどよいくらいだ。
いまだに、親族からは「お前の仕事は儲けもできないくだらない仕事。なんで公務員にならなかったのか?大学まで行ったのに」という声を聞く。
現に親族が国家公務員であるのも事実である。
それを比較されるのである。
公務員ゆえに、給与保証のうえ、賞与もある。社会保障もある。
私は給与保証はおろか、賞与もなく、社会保障もない。
私は、大学卒業�
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