こんな事を書いている私は、実は数学が「苦手」です。
高校時代に、進学する学科に「電気系」を考えていた私は、数学の先生から猛烈に反対を受け
学科選択を「経営系」に転換した事をほろ苦く覚えています。
進学した後、案の定、数学で相当「失敗」しました。
微積の科目4単位をあっさり落としました。
(ちなみに、通常の科目が2単位ですが、微積については4単位でした)
教員志望だった当時、免許はいろいろ取得しようと考えていましたが、結局数学は断念しました。
ちなみに、工業科の免許状は何とか取得できた事は奇跡ともいえるでしょうか。
そんな私が「物事を数学で考える」という理論は、こんなところにあります。
前述の通り、私は工学部出身の人間です。物事はロジカルに考えるのが基本ですから、やはり筋道を立てて行う理論が中心です。
物事を数学で考えるという基本は
「提起」「整理」「分解」「結合」「四則演算」
といった言葉がキーワードになってきます。
たとえば、仕事の仕分けを考えたとき
効率よく行うためには「整理」が必要です。
これは、因数分解Wの理論が役立ちます。
この中で大事なのは「共通因数」の考え方です。
自由に使える時間は2日間しかありません。
3人のいます。予定は次の通りでした。
一人は長崎市内、二人は雲仙市内とします。
雲仙市の一人は月曜日、もう一人の雲仙市の人は火曜日、長崎市の方は水曜日としたら
どう考えても3日かかってしまいます。
そうしたときに、長崎市の方は水曜日として、雲仙市の方のどちらかの日程をそろえる事で、2日の時間でやりくりします。
あるいは、長崎市の方を月曜日または、火曜日にずらし雲仙市の方の日程を合わせる
といった考え方が「共通因数」の考え方です。
この場合の正解は
「長崎市の方を水曜日」「雲仙市の方は火曜日」
する考え方が一番無駄が無く、効率良く行動ができます。
これを数式で表すと
長崎市の方をN、雲仙市の方をUとしたら
x = N+U+U
となります。
これを整理する事で
x = N + 2U
と表現できる事から、効率を上げる事が可能になるのです。
次に考えるべき事は
「優先順位の付け方」
これも数学の考え方があります。
加減乗除の四則演算は「計算の手順」があり、このあたりも大変重要です。
たとえば、4人のお客さんがいたとき、どういう形で優先順位をつけるか?
優先順位の考え方として
*緊急性を要するか?
*移動時間は?
*費用負担の問題?
などこれらの諸問題から「優先順位」として、一番上がるのは
「緊急性」の有無になります。
これは、四則演算で言うところの「×や÷」に相当します。
移動時間は「+や−」になり、
費用負担については「1か0」といったところです。
つまりどんなに緊急性を要しても、場所が近くても
費用負担能力が無ければ「優先順位」から外れてしまう。というのです。
これは、ビジネスの世界ですから致し方ありません。
さらに「通常取引の顧客か」あるいは「新規顧客か」によって優先順位は加味され
同一の場合は、当然そういった+や−を加算し、結果として
どこが「最初」になり、どこが「最後」になるかを考えなくてはなりません。
物事を数学で考える極意はまさにこの点に集約され、勉強ではなく「生きる知恵」として、数学をとらえると非常に生きてきます。
まさに数学による哲学ともいえる事でしょうか。
私は代数学が苦手で、未だによく理解していません。
ほかにも幾何学もやったはずですが、こちらもさっぱりです。
そんな私でも「数学」の考え方は、様々な場面で直面しています。
「共通因数」の考え方は、プログラムを組む上では絶対条件です。
さらに、連立方程式などの理論も避けて通れません。
数学は「パズルゲーム(頭の体操)」に似ており、その考え方、解法は「生きる手段」に似ていると私は考えます。
日常生活で一番必要な事は「計算」技術ですが、
それ以上に「優先順位」に付け方はまさに「数学」の理論なしに語れないと私は思います。
数学は「難しい」と思わず
「数学」における「考え方」を少しかじってみるだけでも楽しいと思います。
「勉強」のための「数学」でなく、楽しむための「数学」も良いと考えます。